不正ジャーナル

笹本忠裕(沼野忠裕)の不動産詐欺事件—地面師の手口とその影響

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2024 年 1 月、笹本忠裕(本名:沼野忠裕)が、不動産詐欺の疑いで逮捕されました。

笹本は「1 億円を払えば 5000 万円の利益が得られる」と嘘の投資話を持ちかけ、1 億円を詐取したとされています。

この記事では、笹本忠裕の経歴、詐欺手口の詳細、そして事件がもたらした影響について詳しく解説します。

笹本忠裕(沼野忠裕)の経歴と詐欺疑惑の歴史

笹本忠裕(本名:沼野忠裕)は、これまでに株式会社 TWS Advisors(旧 株式会社プレステート、現 株式会社トップエージェント)の CEO を務めるなど、不動産投資業界で活動していました。

しかし、その実態は不動産を利用した詐欺的な投資スキームの展開であり、過去にも被害者が多数存在していたことが明らかになっています。

さらに、笹本忠裕は株式会社リンクスインベストメントを設立し、詐欺行為で数億円を荒稼ぎしていたとの証言もあり、虚偽の投資案件を持ちかけることで資金を騙し取るという手法を繰り返していた可能性が指摘されています。

事件の概要—1 億円を騙し取った手口とは?

詐欺の舞台はさいたま市の浦和美園駅前の 700 坪の土地でした。

笹本忠裕は、2020 年に埼玉県さいたま市の浦和美園駅前にある 700 坪の土地を投資案件として、都内の不動産会社に対し以下のような条件で投資を勧誘します。

  • 4 億円で土地を購入し、5 億 2000 万円で大手住宅メーカーに転売する
  • 1 億円を投資すれば、5000 万円の利益が得られる

この話に乗った不動産会社は、手付金として 1 億円を沼野に振り込みます。

しかし、実際には彼はこの土地の取引に一切関与しておらず、詐欺のための架空の投資案件でした。

嘘の言い訳で返金を回避

笹本は 1 億円を騙し取った後、投資者が資金の返還を求めると「地主がインフルエンザにかかった」などと苦しい言い訳を繰り返し、支払いを何度も引き延ばしにします。

最終的に資金は返済されることなく、事件が発覚しました。

逮捕と事件の進展

2024 年 1 月、警視庁は笹本忠裕を詐欺容疑で逮捕しました。

警察の調べによると、笹本はこの投資案件に関与しておらず、振り込まれた資金はただ会社の経費として使用されたとみられています。

また、笹本の周囲には複数の不動産詐欺の被害者が存在し、被害者の会も結成されています。

この事件の詳細が明らかになるにつれ、彼の詐欺行為は単発のものではなくこれまでにも同様の手口で行われた犯行の一部であった可能性が高いと考えられています。

被害者の救済と資金の行方

被害者は投資した 1 億円の返還を求めているが、笹本が資金をどこに隠したのかは依然として不明なままです。

「騙し取った金をどこへ隠したのか?」という追求はされているものの、資金回収の見込みは薄いとみられています。

また、笹本は「笹本忠裕」「沼野忠弘」などと複数の偽名を使用していたことが判明しており、さらなる詐欺案件への関与も疑われています。

まとめ

この記事では、笹本忠裕(沼野忠裕)によるさいたま市の土地による 1 億円詐欺事件について解説しました。

事件概要を改めて簡単にまとめると、

  • 浦和美園駅前の土地取引を装い、都内の不動産会社から 1 億円を騙し取った。
  • 土地の取引に一切関与していないにもかかわらず、「5000 万円の利益を保証」と偽り投資を勧誘。
  • 逮捕後も容疑を否認しており、資金の行方は不明。
  • 過去にも不動産投資詐欺に関与していた疑いがあり、組織的かつ他の詐欺事件の一つである可能性が高い。

この事件は、不動産投資詐欺の典型例であり、投資家にとって教訓となる事件と言えます。

ドラマ化されたことで一躍有名となった「地面士」ですが、笹本の事件はそんな地面士による土地を使った詐欺の一つの例です。

今後も同様の手口を用いた詐欺が発生する可能性が高いため、不動産に投資を検討する際は慎重な判断をこころがけてください。

警察の捜査により資金の隠し所が発見され、少しでも被害者への救済が図られることを期待したい。